【おうちのちらし特別企画】徳島県警 生活安全企画課に聞く、「今日から始めるおうちの防犯対策」

メガネくん

こんにちは、営業兼デザイン担当・おうちのちらし編集長のメガネです。
今回の「おうちのちらし特別企画」は、住まいと暮らしを守る防犯対策。徳島県警察本部・生活安全企画課の担当者に伺った、本誌に載りきらなかったお話をお届けします。

キノコさん

広報のキノコです。
「自分だけは大丈夫」と、つい思ってしまっていませんか? お家の鍵や窓のことから、警察官を装う詐欺の手口まで、身近な防犯について伺いました。ご自身やご家族の暮らしを見直すきっかけに、ぜひ読んでみてくださいね。

空き巣や強盗、巧妙化する特殊詐欺。「徳島だから大丈夫」「自分だけは大丈夫」と思っていませんか?

犯罪の被害を防ぐには、犯人に狙われにくい環境をつくり、最初の段階で諦めさせることが大切です。徳島県警察本部・生活安全企画課の担当者に、家庭で実践できる防犯対策と、いま注意したい特殊詐欺について伺いました。

徳島の住宅犯罪と、まず考えたい防犯の基本

メガネ:この度は取材にご協力いただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

キノコ:身近なことなのに、意外と知らない防犯のこと。今日は、しっかり勉強させていただきたいと思います!

担当者:こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

メガネ:では、さっそく。現在、徳島県内で特に注意しておきたい、住宅にまつわる犯罪にはどのようなものがありますか?

担当者:住宅への侵入窃盗には注意が必要です。背景の一つに、空き家が増えていることがあります。空き家に侵入する泥棒が、徳島に限らず全国的に増えているんです。

キノコ:空き家への泥棒が増えているんですか……!

担当者:はい。ですから、空き家の防犯対策という点もありますね。

メガネ:なるほど。今回のテーマにも関わってきますね。今回は新築のお家の話が中心ですが、先々まで役立つ、永久保存版のような記事にしたいと思っています。

キノコ:住宅の犯罪と聞くと、やはり空き巣が一番身近なイメージです。

担当者:空き家に限らず、実際に人が住んでいる住宅でも窃盗は起きています。最近、栃木などでもありましたが、侵入した先で住人と鉢合わせして、強盗に発展する可能性もあるんです。

メガネ:徳島でも、そういうことはあったのでしょうか?

担当者:今のところはありません。

キノコ:でも、これからも起こらないとは言えませんよね。

担当者:そうなんです。その可能性には十分注意していただきたいですね。誰もいないと思って入ったのに人がいた。そこで引き返さず、いわゆる居直り強盗になる場合があります。暴行や脅迫をして、けがをさせてまで物を奪ってしまうんです。

キノコ:物を盗まれるだけでは済まないこともあるんですね……。

担当者:全国的には、そうした形に発展するケースも増えてきています。当然、徳島でも起きる可能性は十分あります。

メガネ:住宅にまつわる犯罪として、そういう点にも気を付けたいということですね。

担当者:はい。注意していただきたいところです。

メガネ:では、空き巣などを防ぐために、住宅のつくりや防犯上の注意点として、どのようなことが挙げられますか?

担当者:一概には難しいところもありますが、一番大事なのは、犯人に「この家に入るのはやめよう」と思わせることですね。例えば、防犯カメラがある家。人が近づくと反応して明かりがつく、センサーライトがある家です。

メガネ:外からは分かりにくいかもしれませんが、補助錠を付けて、二重に鍵をかけることもそうでしょうか?

担当者:そうですね。補助錠を取り付けたり、窓ガラスに防犯フィルムを貼ったりする方法もあります。ガラスを破って侵入しにくくするためです。

キノコ:ひびが入っても、簡単には破れないようにするんですね。

担当者:はい。そのためにフィルムを貼るということです。

メガネ:実際に侵入するときは、窓ガラスを割って入ってくることもよくあるんですか?

担当者:もちろんあります。玄関や勝手口などに鍵がかかっていると、ガラスを破って入ることがあります。窓のクレセント錠の周辺だけを静かに割り、そこから鍵を開けるのは、昔からある手口ですね。

メガネ:テレビなどで見るような、鍵の近くだけを割る方法ですね。そこに防犯フィルムを貼っておくと、簡単にはできなくなる。

担当者:そうです。そうやって、侵入そのものを諦めさせるんです。

キノコ:なるほど。「入られたらどうするか」の前に、まず「入るのをやめてもらう」なんですね。

担当者:そうした家のつくりが、防犯では大きなポイントになります。

メガネ:そもそも家に入らせない、ということですね。

担当者:はい。ただ、絶対に侵入できない鉄壁のお城のような家にするのは難しいですよね。だから、防犯設備を見て「どうしようかな」「時間がかかりそうだからやめようかな」と、犯人に思わせることが大切なんです。

メガネ:時間が長引くほど、見つかるリスクも高くなりますものね。

担当者:犯人は、できるだけ早く、誰にも気付かれずに入り、盗もうとします。その考えに対して、いかに時間をかけさせるか、ということですね。

キノコ:普段、そこまで考えたことがありませんでした。具体的に聞くと、ちょっと背筋が伸びますね……。

万が一に備えた貴重品の管理

メガネ:あってはならないことですが、例えば、新築できれいな、少し大きめのお家があるとします。外から見て「お金がありそうだな」と思われるようなお家ですね。万が一、そこに入られてしまった場合、貴重品や取られたくない物を、盗まれにくい形で管理する方法はあるのでしょうか?

担当者:どこに隠すか、ということでしょうか?

メガネ:隠し場所という意味もありますが、保管の仕方も、一つの防犯になるのかなと思いまして。

担当者:なるほど。金庫以外となると、なかなか難しいところですね。

キノコ:例えば、全部を同じ場所に入れないことなどでしょうか?

担当者:はい。一つの場所にまとめないことは、一つの方法です。そこでも、犯人に時間を使わせるという意味で。

メガネ:犯人は、引き出しなどを次々に開けて、全部探していくんですか?

担当者:空き巣であれば、物が入っていそうな場所を開けて、見ていくことは多いと思います。ただ、こう言ってしまうと本末転倒かもしれませんが、そもそも高価な物を家に置かない、という方法もあります。貴重品を預けるためのものもありますから。

メガネ:銀行の貸金庫などですね。

担当者:はい。現金などを家に置かなければ、その被害は防げます。ただ、どうしても家に置いておく必要がある物やお金もありますよね。それを、どこに置くかです。

キノコ:日常生活で使う物もありますし、保管できる場所も限られますよね。

担当者:おっしゃるように、分散させるのも一つの方法です。金庫も、軽いものだと、そのまま持ち去られる可能性があります。

キノコ:金庫ごと、ですか……!

担当者:はい。持ち運べないほど大きな金庫ならよいかもしれませんが、一般家庭で用意するとなると、お金も場所も必要です。なかなか現実的ではありませんよね。

メガネ:まとめて置かずに分散させるか、そもそも家に置かないか、ということですね。ただ、実際には置いているご家庭もあるでしょうね。

担当者:例えば時計などは、頻繁に使う物ですから、その都度、貸金庫へ預けるわけにもいかないと思います。

メガネ:そうですね。自分たちで管理する中で、万が一入られてしまっても、すぐに目に入らない、簡単には見つけられないような場所に保管することを心がける、ということですね。

担当者:そうですね。保管する場所自体に鍵をかけることも考えられます。ただ、鍵が付いていても、簡単な木製の入れ物などでは壊される可能性があります。ある程度丈夫で、鍵がかかり、簡単には持ち運べないものに入れておけば、さらに時間をかけさせられます。それも一つの方法です。

キノコ:鍵が付いていれば安心、と思ってしまいそうですが、入れ物自体を壊されることも考えるんですね。

メガネ:普段、「物を壊されるのを防ぐ」というところまでは、あまり考えませんよね。

担当者:でも、犯人は必死です。何をしてでもこじ開けようとする可能性がありますから、そこまで考えておくことも必要ですね。

市街地と郊外で、防犯上の違いはある?

メガネ:ありがとうございます。徳島の地域媒体なので、地域による違いも伺いたいと思っています。徳島市内のような市街地と、徳島市から少し離れた郊外とでは、空き巣などの犯罪や、防犯上の注意点に違いはありますか?

担当者:注意すべきポイントの違い、ということですね。

メガネ:はい。ちなみに、件数の違いなどはあるのでしょうか?

担当者:私個人の感覚では、それほど大きな差はないのかなと思います。ただ、一般的には、徳島市内の住宅街のような場所は人の目があり、街灯もありますよね。明るくて人がいる場所は、犯人が嫌がります。市内なら安全だと言うわけではありませんが、そういう意味で侵入を諦めやすい要素はあります。

メガネ:街そのものに、ある程度の抑止力があるんですね。

担当者:そうですね。人の目は、犯人が嫌がるものです。

キノコ:やはり、誰かに見られるのは避けたいんですね。

担当者:一方、周囲に人があまりいない、夜は明かりもない、という環境だと、犯人にとって近づきやすい面がある、と考えていただきたいですね。

キノコ:「市内だから」「郊外だから」と地域だけで考えるのではなく、自分の家の周りに人の目や明かりがあるか、ということですね。

メガネ:人目が少なくて暗い場所では、特に普段から注意しておきたいですね。

担当者:そうですね。

家庭でできる防犯対策

キノコ:家庭で取り組みやすい対策も、もう少し教えてください。留守のときにテレビや明かりをつけておく、という方法を聞くことがありますが、そういうことも有効でしょうか?

担当者:明かりがついていれば、外からは「誰かいるのかな」と見えますので、一つの対策にはなると思います。

キノコ:なるほど。人がいるように見せるんですね。

担当者:はい。

メガネ:それでも、関係なく入ってくることはあるのでしょうか?

担当者:長く見張られていて、「この家は人がいない。電気をつけているだけだ」と分かってしまえば別ですが、まず、人がいると思わせることにはつながります。侵入を諦めさせる一つの方法です。何もつけていないよりは、つけている方がよいですね。

メガネ:それだけで安心、というわけではありませんが、対策の一つにはなるんですね。

担当者:真っ暗な状態よりは、ということです。

キノコ:ほかに、家庭でもできそうなことはありますか?

担当者:基本的なことですが、やはり鍵をかけることですね。施錠を徹底することです。

メガネ:まずは、そこですね。

担当者:小さな窓であっても同じです。玄関だけでなく、すべての窓など、入られる可能性のある場所には必ず鍵をかけてください。「ちょっとそこまで」と外出した、ほんのわずかな隙を突かれる可能性もあります。

キノコ:そんな短い時間でも、ですか?

担当者:今すぐ具体的な事例を挙げられるわけではありませんが、あり得ることです。ですから、短い時間でも必ず閉めて、鍵をかける。まず、その基本に立ち返っていただきたいですね。

メガネ:意外と、鍵をかけていない方もいるんですね。

担当者:「少しだけだからいいだろう」「1時間か2時間だから」と考えることもあるかもしれません。でも、それが危ないですよね。

キノコ:「すぐ戻るから」が、油断につながるんですね。

担当者:はい。鍵をかけることに加えて、二重にロックすることなども考えていただければと思います。

メガネ:まずは基本に立ち返る、ということですね。

担当者:特別な設備を入れる前に、まず鍵をかけることです。

メガネ:ちなみに、テレビなどで見る、鍵穴を触って開けるピッキングは実際によくあるのでしょうか?

担当者:私が経験した範囲では、それほど多くはないと思います。

メガネ:そうなんですね。簡単に開いてしまうなら、鍵をかけても意味がないのかなと思ってしまいますが。

担当者:今の鍵は複雑になっています。針金のようなものを入れれば簡単に開く、というものではありません。

キノコ:最近の鍵は、昔のものと形が違いますよね。表面にくぼみがあったりして、複雑な感じがします。

担当者:ディンプルキーと呼ばれるものですね。鍵やシリンダーの仕組みも変わり、ピッキングしにくいものが普及しています。

メガネ:犯人にとっても効率が悪いんですね。どのくらい時間がかかるか分かりませんし、技術も必要でしょうし。映画のように、すぐ「カチャッ」と開くものなのかなと思っていました。

担当者:そうですね。それよりも、窓ガラスの一部を割って鍵を開ける方が早い、ということになります。そうした入り方が多いですね。

メガネ:基本的に玄関には鍵をかけている。だから、窓から入ろうとするんですね。

担当者:はい。そこで、防犯フィルムなど、窓の対策が重要になるんです。

キノコ:玄関の鍵だけ確認して終わり、ではいけないんですね。ほかにも、家庭で取り入れやすい対策はありますか?

担当者:センサーライトは取り入れやすいですね。防犯カメラは費用もかかりますが。

メガネ:例えば、「防犯カメラがあります」という表示はどうでしょうか?

担当者:表示だけでも、犯人に「どこにカメラがあるんだろう」と思わせることはできます。

キノコ:場所が分からない方が、かえって気になるんですね。

担当者:そうですね。逆にカメラの場所が分かれば、映る範囲を避けようとする可能性もあります。ただ、本当に何か起きたとき、カメラがなければ捜査には使えません。

メガネ:表示だけでは、映像を残せませんものね。

担当者:心理的には、「カメラがあるらしいけれど、どこだろう。どうやって入ろうか」と考えさせることで、諦めさせる効果は考えられます。ただ、実際のカメラも付けておいていただく方がよいですね。

メガネ:実際に設置したうえで、表示も付けておく方がよいんですね。

担当者:はい。

キノコ:ホームセキュリティーの表示も、よく見かけますね。

担当者:警報が鳴るかもしれない、警備の人が来るかもしれないと思わせますし、防犯意識の高い家だと伝える材料にもなります。

メガネ:無理なく取り入れられる範囲で、ということですね。

担当者:そうですね。防犯砂利もよい対策です。

キノコ:先ほどのお話ですね。砂利を敷いているお家はありますが、あの音が防犯に役立つとは、あまり意識していませんでした。

担当者:昔から敷いている砂利について、最初から防犯が目的だったかどうかは分かりません。でも、今考えると、音がするのは防犯上役立ちますね。

メガネ:玄関、窓、勝手口、庭など、基本的にはすべての場所で対策を考えておいた方がよい、ということですね。

担当者:そうですね。

メガネ:入られる可能性がある場所には対策をする。まず、玄関も勝手口も窓も、鍵をかける。そして、2階に上がる足場になるような物は置かない、ということですね。

担当者:はい。

キノコ:持ち運べる物なら、少し離れた場所にあっても、運んで足場にされてしまいますよね。

担当者:そうですね。庭に物をたくさん置かないことも大切です。植木なども含めて、犯人が身を隠せる場所をつくらない、という考え方です。見通しがよく、隠れられない庭は、犯人が嫌がります。

メガネ:身を隠したり、逃げ込んだりする場所がないわけですね。

担当者:はい。できるだけ物を置きすぎないことです。

キノコ:家の中だけでなく、庭の状態も防犯につながるんですね。

メガネ:まさに、普段から「明日は我が身」と考えることが大事ですね。

担当者:そうですね。被害に遭われてから、「まさか自分が……」となってしまわないように、日頃から意識していただきたいですね。

2階やマンションでも油断はできない

担当者:先ほどの足場の話にもつながりますが、物置などを利用して、2階に上がられる可能性もあります。

キノコ:2階だと、つい鍵の確認が甘くなりそうですね。実際に、上の階から入られることもあるんですか?

担当者:あります。過去にもありました。

メガネ:徳島でもですか?

担当者:もちろんです。

キノコ:そこは、見落としがちかもしれません……。

担当者:注意していただきたいポイントです。マンションでも、2階や3階だから大丈夫、というわけではありません。上って侵入することもあります。

キノコ:マンションの上の階でも、ですか。

担当者:はい。徳島でもありますよ。

メガネ:そうなると、マンションだからといって……。

担当者:絶対に安全、とは言えません。

メガネ:この「おうちのちらし」はマンションやアパートを中心にお届けしているので、そのお話は読者にも関係がありますね。1階だけの話ではないんですね。

担当者:外から来る人だけでなく、同じ建物に住んでいる人が関わることもあります。ベランダを通って、という場合もありますから。

キノコ:同じマンションの住人が、ですか……。

メガネ:マンションだと、窓に防犯フィルムを貼っている人は少ないかもしれません。

担当者:安全だと思ってしまうところがありますよね。

キノコ:まさか同じ建物の人が、とは思いませんものね。でも、実際にあるんですね。

担当者:窃盗の場合もありますし、性的な目的の場合もあります。同じ建物の住人が関わるケースでは、どちらかというと性的な目的の方が多いでしょうか。普段見かけるうちに相手への感情を持ち、下着を盗んだり、部屋に侵入して性的な加害に及んだりすることもあります。暴力に発展する場合もあります。

メガネ:外から上ってくる場合も含めて、なかなか防ぎにくそうですね。

担当者:賃貸住宅だと、設備を自由に変えることが難しい面もありますね。

キノコ:そういうマンションでは、どのような対策が考えられますか?

担当者:ベランダにカメラを付けるという方法も考えられます。

メガネ:マンションは人も多いので、犯人にとって見つかるリスクはありますよね。上の階に入ろうとすれば、なおさら。ただ、それで住んでいる側の防犯意識が薄くなってしまうこともあるのかもしれません。

キノコ:「人が多いから大丈夫」「上の階だから大丈夫」とは、決めつけないことですね。

メガネ:「絶対に安全ではない」と知っておくことが大切ですね。徳島でも起きていると聞くと、より身近に感じます。

担当者:そうですね。

季節ごとの注意点

メガネ:季節によって、被害が多くなる時期はあるのでしょうか?

担当者:空き巣についてですか?

メガネ:はい。季節による違いがあれば教えてください。

担当者:感覚的なお話になります。以前なら夏かなと思いましたが、最近は暑すぎて、むしろ窓を閉めていますよね。そう考えると、窓を開けて過ごす季節に注意が必要なのかなと思います。

キノコ:ああ、なるほど。暑い時期はエアコンを使いますものね。

担当者:春や秋などですね。

キノコ:エアコンを使わず、窓を開けていると気持ちがよい時期ですね。

担当者:はい。以前は夏にもそうしていたと思いますが、家のつくりや暮らし方とも関わってくると思います。

メガネ:季節の名前だけでなく、窓を開けて過ごす暮らし方に注意する、ということですね。

キノコ:過ごしやすくなると、つい気も緩みそうです。窓のこと、意識しておきたいですね。

下見を疑う行動と、不審な訪問への対応

メガネ:空き巣や強盗の下見かもしれない、と疑うべき訪問や行動には、どのようなものがありますか?

担当者:「見知らぬ男が敷地内をのぞいていた」「敷地内や地域を何度もうろうろしている人がいた」「突然、玄関のドアノブを回された」といったものですね。

キノコ:突然、ドアノブを……。それは怖いですね。

メガネ:鍵がかかっているかどうかを確認しているのでしょうか?

担当者:はい。

メガネ:「誰もいないかな、開いているかな」と確認するんですね。それから、敷地内に見覚えのないものがある、ということも実際にあるのでしょうか?

担当者:見覚えのないシールが貼られていた、ということはあります。

キノコ:徳島でもですか?

担当者:はい。ただ、そのシールが何を意味しているかまでは分かりません。いわゆるマーキングのように、見覚えのない石が置かれていたり、シールが貼られていたりすることは実際にあります。仲間同士で「あの家は狙える」と情報を伝えるためではないか、と考えられるものです。

メガネ:一人で動くというより、複数人で情報を共有している可能性があるんですね。

担当者:そうですね。トクリュウのようなグループによる動きも考えられます。最近では、これは県外の話ですが、小型カメラを設置されていた例もあります。

キノコ:小型カメラまで……! そこまでするんですか。

担当者:人の出入りや、その時間帯などを見るためですね。

メガネ:「何曜日の何時ならいない」と、行動パターンを把握されてしまうんですね。小型カメラだと、気付かないかもしれません。

担当者:県外では、そうした実例があったようですね。

キノコ:徳島でも、これから起きる可能性はあるんですね。

担当者:十分考えられます。それから、訪問してきた人が資産について尋ねてきたら、警戒していただきたいですね。業者を装って、「資産はどのくらいありますか」「家に保管していますか」などと、自然な会話の中で聞き出そうとする場合があります。

メガネ:できるだけ深いところまで、情報を集めようとするんですね。

担当者:資産の状況だけでなく、家族構成や仕事について聞くこともあります。結局は、誰が家にいて、誰がいつ不在になるか、という情報につながりますから。

キノコ:世間話のようでも、家の事情を探られているかもしれないんですね。

メガネ:リフォームの勧誘で来たのに、名前を名乗らなかったり、名刺を出さなかったりする、という話もあるそうですね。

担当者:正式な業者ではない場合、名刺を求めても「持っていない」とはぐらかしたり、会社名をきちんと名乗らなかったりします。名刺を求めた途端に嫌がって、「もういいです」と帰ってしまうこともあります。

キノコ:今はインターホンで、ドアを開けずに話せますよね。その時点で「何かおかしいな」と思ったら、そもそも開けない方がいいんですね。

担当者:そうですね。

キノコ:ドアを開けなくても、「うちは結構です」と伝えられますものね。

担当者:はい。

メガネ:私たちはインターネットを見たり、こうして話を聞いたりするので、不審なメールや電話番号を見て「おかしい」と気付くこともあります。それでも、お話を聞いていると、うっかり被害に遭ってしまうこともあるのかなと思いました。

担当者:そうですね。例えば、高齢の方に見られるケースですが、人と話したい気持ちから、玄関を開けてしまうこともあります。「人が来てくれた」と世間話をするうちに、いろいろと話してしまうんですね。

下見とは少し話がそれますが、悪質なリフォーム契約につながる場合もあります。ですから、まずインターホンで用件を聞いて、必要がなければ「結構です」とお断りする。直接会わないことも、一つの対策になります。

キノコ:話し相手が来てくれたと思ったのに、その気持ちにつけ込まれるのは、つらいですね……。

メガネ:訪問があった後は、ご家族に「こういう人が来て、こんなことを言っていた」と共有しておくのもよさそうですね。

キノコ:そして、不審な訪問者には、まずドアを開けずに対応することですね。

担当者:はい。インターホンで対応してください。断っても帰らない、しつこいという場合は、110番や最寄りの警察署へ通報していただいて構いません。普通の営業であれば、お断りすれば帰りますから。

警察を名乗る電話。その相手、本物ですか?

メガネ:住まいの防犯に続いて、特殊詐欺についても伺いたいと思います。以前にも少しお聞きしましたが、警察官を装う「ニセ警察詐欺」が多いそうですね。

担当者:そうですね。徳島県内でも多発していて、特に注意していただきたい手口です。

キノコ:「警察です」と電話がかかってくるんですか?

担当者:そういう場合もありますが、最初は警察ではなく、郵便局などを名乗ることもあります。入り口は電話で、自宅の固定電話だけでなく、携帯電話にかかってくることもあります。

キノコ:郵便局から始まるんですか?

メガネ:そこから、どう警察の話になるのでしょう?

担当者:例えば、「あなたの名義で発送された荷物を、こちらで止めています。中に現金やキャッシュカード、マイナンバーカードなどが入っています。送った覚えはありませんか」と言うんです。もちろん、これは犯人が作った話です。

キノコ:身に覚えがなければ、「送っていません」と答えますよね。

担当者:すると、「あなたの個人情報が、誰かに悪用されている可能性があります」と言われます。そして、「被害届を出してください。警察につなぎます」と、そのまま警察官を名乗る別の人物へ電話がつながるんです。

メガネ:自分で警察に電話をかけるのではなく、そのままつながるんですね。

担当者:はい。「何々警察の、何々です」と名乗り、最初は被害届の話をします。ところが、やりとりを続けるうちに、「あなたも犯罪に加担しているのではありませんか」という話に変わっていきます。

キノコ:えっ、被害者だったはずなのに、今度は自分が疑われるんですか?

担当者:そうなんです。「あなたの口座が犯罪に使われています」「だまし取られたお金が振り込まれています」「資金洗浄に加担しているのではありませんか」と、不安にさせます。

メガネ:自分は何もしていなくても、「知らないうちに巻き込まれていたらどうしよう」と思ってしまいそうですね。

担当者:そこから、「あなたを逮捕しなければなりません。ただ、お金を調べて疑いが晴れれば、逮捕せずに済みます」と話を進めるんです。

「紙幣の番号を調べれば分かるので、いったんこちらへお金を送ってください。確認したら、すぐに返します」と言う場合もあります。

キノコ:「逮捕されたくなければ、お金を送って」ということですか……。

担当者:はい。「逮捕されるくらいなら」と思い、何百万円、何千万円というお金を送ってしまう。その後、相手と連絡が取れなくなったり、ご家族に相談して「警察がそんなことを言うはずがない」と言われたりして、初めて気付くんです。

実際の警察が、捜査や資金の確認を理由に、こうしてお金を送らせることはありません。

メガネ:「調べるためにお金が必要だ」と言われても、本物の警察の対応ではないということですね。

LINEやビデオ通話で「取り調べ」はしません

メガネ:お金を要求された時点で、おかしいと気付きたいですね。それまでにも、見分けるポイントはあるのでしょうか?

担当者:電話からLINEなどへ誘導するのも、特徴の一つです。「ここからはLINEでやりとりします」「ビデオ通話で事情聴取や取り調べをします」と言われます。

実際にビデオ通話をすると、制服を着た警察官のような人物が映り、警察手帳を見せてくることもあります。

キノコ:制服姿で、警察手帳まで……! 見せられたら、信じそうになってしまいますね。

メガネ:逮捕状を見せることもあるんですよね。

担当者:はい。そうしたものを使って、さらに不安をあおるんです。ただ、警察がLINEなどのSNSへ誘導して取り調べをしたり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりすることはありません。

キノコ:見た目が本物らしくても、「LINEで取り調べ」という時点で違うんですね。

担当者:そうです。警察手帳や逮捕状は、現物をお示しするものです。画像を送って信用させ、お金を振り込ませることはありません。

メガネ:落ち着いて考えれば不自然でも、「逮捕」と言われると、そこまで考えられなくなりそうですね。

担当者:そうなんです。今は簡単に説明しましたが、実際にはもっと複雑で、手が込んでいます。何度も丁寧にやりとりを重ね、相手を信じ込ませてしまいます。

ニセ警察詐欺のことを知っていたのに、被害に遭った方もいるんですよ。

キノコ:知っていたのに、ですか?

担当者:はい。相手の話が巧みで、やりとりをしている間に、知っていたはずの手口と結び付かなくなってしまうんです。

メガネ:「知っているから、自分は大丈夫」とも言い切れないんですね……。

キノコ:今こうして聞いていても、実際に電話が来たらどうなるか。そのことも考えておきたいですね。

担当者:それほど巧妙だということです。それから、「+」から始まる国際電話番号が使われることも多いので、注意してください。警察が国際電話を使って、このような捜査の連絡をすることはありません。

メガネ:警察を名乗っていても、電話番号や連絡の方法に注意する。特に、SNSへの誘導やお金の要求は、見逃せないサインですね。

担当者:はい。制服や警察手帳の画像だけで、本物だと思い込まないでいただきたいですね。

「高齢者だけの話」ではありません

キノコ:詐欺というと、高齢の方が狙われるイメージがありました。今は、そうとも限らないのでしょうか?

担当者:幅広い年代の方が被害に遭っています。携帯電話にもかかってきますし、手口もさまざまです。年齢にかかわらず、気を付けていただきたいですね。

メガネ:私も会社から帰るとき、バイパス沿いの大きな電光掲示板で、ニセ警察詐欺の注意喚起をよく見かけます。以前お話を伺ってから、「ああ、このことか」と見るようになりました。

担当者:関心を持って見ていただけるようになったんですね。そうして、まず手口を知っていただくことが大切です。

キノコ:知ると、普段目にする注意喚起も、自分に関係のある情報として見えてきますね。

メガネ:相手は、徳島にいるとも限らないんですよね。県外や海外からでも、電話はかけられますし。

担当者:そうですね。どこにいるか分からない相手から連絡が来ます。大量に電話をかけることもできますし、郵便局を名乗る電話では、自動音声を使うものも増えています。

キノコ:最初から、人が話しているとは限らないんですね。

担当者:はい。だからこそ、電話という入り口で防ぐ対策にも、力を入れています。

手口を知ることに加えて、電話への対策も

メガネ:そこで、以前ご紹介いただいた対策アプリにつながるんですね。

担当者:そうです。ニセ警察詐欺の入り口は電話です。その電話への対策ができるアプリを利用していただき、被害を防ごうという取り組みをしています。

キノコ:電話に出てから「これは本物かな?」と見抜こうとするだけでなく、接点を減らすことも大切なんですね。

担当者:はい。知識だけに頼るのではなく、アプリなどによる対策も組み合わせていただきたいと思います。

メガネ:先ほどの「手口を知っていた人でも、だまされることがある」というお話を聞くと、その意味がよく分かります。

キノコ:「気を付けよう」で終わらず、具体的な対策までしておきたいですね。

担当者:まず手口を知って、「こういう連絡が来たら、詐欺かもしれない」と気付けるようにしておく。そのうえで、電話への対策もしておくことが大切ですね。

メガネ:アプリについても、記事とあわせてご案内したいと思います。

SNS投資詐欺・ロマンス詐欺にも注意

メガネ:ニセ警察詐欺以外にも、押さえておきたい手口はありますか?

担当者:SNS投資詐欺と、SNS型ロマンス詐欺にも注意が必要です。

SNS投資詐欺は、SNSで投資に勧誘し、LINEなどへ移ってやりとりするものです。偽のアプリなどで利益が出ているように見せ、「もっと投資しよう」と思わせて、繰り返しお金を振り込ませます。

キノコ:画面上では増えていても、本当に利益が出ているわけではないんですね。

担当者:そうです。長期間にわたってお金を振り込み、被害が大きくなることもあります。

ロマンス詐欺は、SNSなどで知り合った相手への恋愛感情や好意を利用するものです。「こういう事情でお金が必要だ」と信じ込ませ、お金をだまし取ります。

メガネ:私も、50代くらいの方が何千万円もの被害に遭ったという話を、テレビで見たことがあります。

キノコ:「もうかる」という期待だけでなく、「この人を助けたい」という気持ちも利用されるんですね。

担当者:はい。誘い方ややりとりには、さまざまなパターンがあります。電話だけでなく、SNSを通じたお金の話にも気を付けていただきたいですね。

メガネ:住まいの防犯と同じで、ここでも「自分だけは大丈夫」と思わないことですね。

担当者:そうですね。遠いところの話だと思わず、自分にも起こり得ることとして知っていただきたいと思います。

キノコ:家の鍵も、電話への対策も、「いつかやろう」ではなく、まず身近なところから見直したいですね。家族とも、今日のお話を共有したいと思います。

メガネ:まずは手口を知ること。そして、自分の判断力だけを過信せず、できる対策をしておくこと。住まいと暮らしを守るために、大切なお話を伺えました。本日はありがとうございました。

担当者:ありがとうございました。

キノコ:ありがとうございました!

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